鼻中隔延長の失敗例と原因は?回避するための対策を解説!
- 小野寺院長監修
「鼻中隔延長の手術を受けてみたいけど、失敗が怖い…」という悩みは多く聞かれます。
鼻中隔延長は修正が難しい手術であるため、受ける前にこのように慎重に考え、失敗のリスクやそれを防ぐ方法を理解しておくことは重要です。
そのため、今回は鼻中隔延長の失敗例やその原因、失敗しないための対策を解説します。
「失敗しない鼻中隔延長の手術を受けたい」と考えている方は、ぜひ参考になさってください。
目次
鼻中隔延長の代表的な失敗例
鼻中隔延長の代表的な失敗例は、以下の通りです。
- 左右非対称になった
- 鼻中隔が曲がってしまった
- 不自然な形になった
- 元に戻ってしまった
- 傷跡が残ってしまった
- 鼻先が硬くなったり動きが悪くなったりした
それぞれの失敗例について解説します。
左右非対称になった
人間の顔や体は、本来左右非対称です。
パッと見では左右対称に見える場合でも、自然界の生物である以上、何かしら左右非対称な部分があります。
鼻も例外ではなく、鼻の大きさや小鼻の形などは程度の差こそあれ、誰でも左右非対称になっています。
この非対称の度合いがもともと強い方の場合、鼻中隔延長の手術を受けることで、非対称ぶりが強調されてしまうことがあるのです。
医師に十分な技術と経験があれば、この左右非対称もうまく調整するような鼻中隔延長術を行えるでしょう。
しかし、医師にそのような技術や経験がなかった場合、術前はそれほど目立たなかった非対称ぶりが、手術によって目立ってしまうことがあります。
鼻中隔が曲がってしまった
以下の条件に当てはまる場合、鼻中隔延長の術後に鼻中隔が曲がってしまうことがあります。
- ①:もともと鼻中隔が曲がっていた
- ②:無理な延長を行った
- ③:移植した軟骨が経年劣化した
①は、鼻中隔湾曲症と呼ばれる症状で、見た目でわかる症状とわからない症状があります。
前者であれば経験の浅い医師でも気づきますが、後者であれば気づかずに手術を行ってしまうケースもあるのです。
その場合、術後しばらくしてから鼻中隔が以前より曲がるリスクがあります。
②については、無理な延長を行うと鼻の皮膚を強く引き伸ばすことになります。
その分皮膚から強い力を受け、挿入した移植軟骨や、土台となる元々あった鼻中隔軟骨が曲がってしまうリスクがあるのです。
③については、移植軟骨には耳や肋骨の軟骨(耳介軟骨・肋軟骨)を用いることが多いです。
これらの軟骨はもともと湾曲しているため、まっすぐに加工して挿入しても、時間が経つと曲がってしまう可能性があります。
また、自家組織でない軟骨を挿入した場合、皮膚の中で定着せずに吸収されて消失してしまう、劣化してボロボロになってしまうなどのケースも見られます。
不自然な形になった
不自然な形には、ここまで説明した「左右非対称」や「鼻中隔が曲がる」というケースも含まれます。
これら以外では「鼻柱が太くなる」というパターンにも注意が必要です。
鼻柱とは、左右の鼻の穴の間の「壁」の部分です。
鼻中隔延長では、この壁の部分に軟骨を挿入します。
軟骨を挿入した分、太く見えてしまうケースがあるわけです。
その他では、挿入した軟骨が浮き出て見えてしまうことがあります。
鼻を高くするということは、鼻の皮膚が引き伸ばされて薄くなるということです。
皮膚が薄くなることで、その下にある軟骨が浮き出て見えてしまうことがあるわけです。
元に戻ってしまった
鼻中隔延長には、以下の2通りの方法があります。
- ①:手術を行う方法(切る鼻中隔延長)
- ②:溶ける糸を挿入する方法(切らない鼻中隔延長)
一般的な鼻中隔延長は①の方で、この方法では基本的に後戻りすることはありません。
一方、②の方法は基本的に後戻りするものです。
この方法では、体内で吸収される医療用の糸(溶ける糸)を用います。
糸リフトなどの施術で用いられる糸で、皮膚を支える力や引っ張る力を持ちます。
この支える力によって、鼻の先端を高くした状態で支えれば、糸だけでも鼻中隔延長を行えるのです。
この方法は「切らない鼻中隔延長」と呼ばれます。
切開が不要というメリットがあるものの、この糸は1年程度で体内に吸収されてなくなるものです。
なくなった後も、しばらくは糸の周囲に形成されたコラーゲン組織が鼻先を支えてくれます。
しかし、コラーゲン組織では強度に限界があるため、一定期間経過すれば元に戻ってしまいます。
つまり、元に戻ること自体は、切らない鼻中隔延長であれば自然な現象です。
傷跡が残ってしまった
一般的に、鼻中隔延長の傷跡は4〜6ヶ月後にはほとんど目立たなくなります。
しかし、医師の技術が未熟であった場合や、ダウンタイムの注意事項を守らなかった場合などは、傷跡が目立つ状態で残ってしまうこともあります。
鼻中隔延長の術式は、主にオープン法とクローズ法の2通りです。
オープン法では、鼻の穴の内部と鼻柱部分(鼻の穴の真ん中の壁)を切開します。
クローズ法では、鼻の穴の内部だけを切開します。
どちらの方法でも、鼻の穴の内部の傷跡については、外からは見えません。
しかし、オープン法の鼻柱部分の切開は、前述のような原因で傷跡が残ってしまうことがあるのです。
クローズ法は傷跡が目立たないものの、手術を行えるスペースが狭く、施術に大きな制限が生じる手法です。
このため、手術の仕上がりや持続性が落ちることが多く、修正の手術にも不向きといえます。
オープン法は傷跡が目立ってしまう可能性があるものの、手術の自由度が高いことが特徴です。
このため、施術の仕上がりや持続性がクローズ法より向上しやすく、鼻中隔延長の手術ではオープン法が広く用いられています。
鼻先が硬くなったり動きが悪くなったりした
鼻中隔延長では、必ず鼻先が硬くなります。
理由は、本来軟骨がない鼻先に、軟骨を継ぎ足して固定するためです。
鼻のほとんどは軟骨によって支えられていますが、鼻先にはその軟骨がありません。
そのため鼻先は柔らかく、押し上げて豚鼻を作るなどの動きを出せます。
しかし、鼻中隔延長でこの部分に軟骨を継ぎ足すと、鼻先の柔らかい部分がなくなります。
このような理由で、鼻先が硬くなることは避けられません。
そして、鼻先が硬くなれば様々な動きができなくなるため「動きが悪くなった」と感じてしまうケースもあります。
鼻中隔延長で失敗しないための対策
鼻中隔延長で失敗しないための対策は、以下の通りです。
- 限界を超えて延長しない
- 鼻中隔延長の経験が豊富な医師に手術してもらう
- カウンセリングで医師と綿密なすり合わせを行う
それぞれの対策について解説します。
限界を超えて延長しない
限界を超えた延長は、様々な理由で失敗しやすくなります。
まず、狙い通り成功した場合でも「鼻が高過ぎて不自然」と見られるリスクがあります。
また、大幅な延長のためには、大きめの軟骨を移植して、鼻の皮膚を大きく伸ばすことが必要です。
皮膚を大きく伸ばしている分、移植軟骨と土台の鼻中隔軟骨には、強い力がかかります。
この力によってどちらかの軟骨が曲がってしまうと、鼻先も曲がって見えてしまうのです。
この他にも、限界を超えた延長は多くの理由で失敗しやすいです。
鼻中隔延長の経験が豊富な医師に手術してもらう
鼻中隔延長の施術経験が豊富な医師であれば、手術に失敗するリスクも下がる可能性があります。
また、鼻中隔延長だけでなく、形成外科の施術全般での実績が豊富な医師を選ぶことも重要です。
日本専門医機構認定の形成外科専門医であれば、形成外科の施術経験と技術は、一定の水準以上であると言えます。
この専門医資格を保有した上で、さらに鼻中隔延長の症例も多く経験している医師から手術を受けるのが良いでしょう。
カウンセリングで医師と綿密なすり合わせを行う
自身がなりたいイメージと医師のイメージがずれていた場合、手術が成功しても仕上がりに満足できない可能性があります。
このような失敗を防ぐためにも、カウンセリングで医師と綿密なすり合わせを行いましょう。
もし患者様が希望するイメージが、医学的にリスクの高いものであった場合、医師はリスクを説明して患者様を説得することが多いです。
そのような場合は医師の説明によく耳を傾け、納得できない場合は他院でセカンドオピニオンを求めるなどしましょう。
鼻中隔延長で失敗した場合の修正地獄に注意
鼻中隔延長で万が一失敗してしまった場合には、修正手術が必要です。
しかし、その手術でも満足できず修正を繰り返す「修正地獄」に陥ってしまうケースもあります。
こうしたケースは、鼻中隔延長に限らずどの美容整形の手術でも見られるものです。
その中でも、手術の難易度が高く二重整形などと比較して症例が少ない鼻中隔延長は、修正地獄に陥る割合がやや高めといえます。
このような修正地獄に陥らないためには、初回の手術から医師の助言をよく聞き、無理な手術を希望しないことです。
また、明らかな失敗ではなく「何となく気になる」というだけであれば、すぐに手術をせず、しばらく時間を置いて考えることも重要です。
そして、修正手術を受けることを決めたら、信頼できる医師を探すことはもちろん、事前の相談も初回の手術以上に綿密に行う必要があります。
修正手術を繰り返すほど、鼻にかかる負担が大きくなるため、初回の手術でも修正手術でも、受けるべきかどうかを慎重に考えるようにしてください。
銀座マイアミ美容外科の鼻中隔延長の特徴
銀座マイアミ美容外科の鼻中隔延長の特徴は、必ず日本専門医機構認定の形成外科専門医が手術を行うことです。
鼻中隔延長は美容整形の中でも複雑な手術であり、形成外科の様々な技術と知見が要求される手術です。
この点、公的な機構が定めた基準をクリアしている形成外科専門医は、実績・技術・知見のいずれについても、十分なレベルに到達しているといえます。
手法については、鼻の穴の中を切開するのに加えて、鼻柱の切開も行うオープン法を採用しています。
使用する軟骨は、基本的にご自身の軟骨から採取する「自家組織」の軟骨です。
他の人の軟骨(寄贈軟骨・保存軟骨)や人口軟骨、豚の軟骨などは、原則として使用しません。
自家組織は感染症などのリスクも低く、移植部分での定着もしやすいため、仕上がりの美しさや安全性、持続性などのあらゆる部分で、他の材料よりも有利になります。
用いる手法や軟骨以外でも、当院の鼻中隔延長の施術では、様々な工夫を重ねています。
より詳しい施術の説明については、以下のページをご覧ください。
鼻中隔延長の失敗に関してよくある質問
鼻中隔延長の失敗に関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。
- 鼻中隔延長のデメリットは?
- 鼻中隔延長は元に戻せますか?
- 鼻中隔延長はしない方がいいですか?
それぞれの疑問点に回答していきます。
鼻中隔延長のデメリットは?
切開手術を伴う「切る鼻中隔延長」のデメリットは、以下の通りです。
- ①:鼻中隔が曲がるリスクがある
- ②:軟骨移植を行う場合、軟骨の採取が必要
- ③:オープン法の場合、傷跡が残りやすい
- ④:ダウンタイムがやや長め
- ⑤:完成までが長く禁止事項が多い
①については、序盤の「鼻中隔が曲がってしまった」の段落で解説した通りです。
②については、自身の体から耳介軟骨・肋軟骨などを採取する手術が必要で、こちらもダウンタイムがあります。
③についても、序盤の「傷跡が残ってしまった」の段落で解説した通りです。
④については、鼻中隔延長は大がかりな手術であるため、切開を伴わない美容整形の手術と比較しても、ダウンタイムがやや長めです。
⑤については、移植した軟骨が定着するまでに3〜6カ月程度かかり、その期間に「鼻を触らない」「激しい運動を控える」など、様々な制限があります。
鼻中隔延長は元に戻せますか?
鼻中隔延長の手術は、元に戻すことはできません。
ある程度元に戻すことはできますが、鼻先に挿入した移植軟骨は残す必要があります。
この軟骨を抜いてしまうと、軟骨で高くした鼻が支えを失って潰れてしまい、以前より鼻が低くなってしまうためです。
このような理由で軟骨を残す必要がありますが、軟骨が残っている以上、以前と完全に同じ形にはならず、鼻先も硬いままです。
ただ、完全に戻すことはできなくとも、修正手術自体は行なえます。
前述の修正地獄に陥らないためにも、必ず信頼できる医師を探し、修正手術について綿密に話し合うようにしましょう。
鼻中隔延長はしない方がいいですか?
鼻中隔延長は「しない方がいい」といわれることもあります。
その理由は、以下のようなリスクがあるためです。
- 長期経過で鼻が曲がるリスク
- 鼻先が硬くなるリスク
- 軟骨が浮き出るリスク
- 鼻先の皮膚が薄くなるリスク
- 移植軟骨の感染のリスク
これらのリスクについては、以下の記事で詳しく解説していますので、鼻中隔延長の手術が不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
鼻中隔延長をしない方がいいと言われる理由|リスクや施術を受けるポイントを解説
【まとめ】鼻中隔延長の失敗例や対処法
鼻中隔延長の失敗例は「鼻中隔が曲がる」「左右非対称になる」「鼻先が硬くなる」など様々です。
そして、それらの対処法で共通して重要なことは、まず「信頼できる医師を選ぶ」ことです。
その上で、医師と事前にイメージのすり合わせを綿密に行うこと、無理な延長をしないことが重要です。
当院の鼻中隔延長では、そのような事前のイメージのすり合わせを入念に行っています。
患者様のお悩みやご希望をじっくりとお聞きし、お鼻や顔全体の構造を緻密に分析した上で、適した内容の手術をご提案させていただきます。
施術を担当する医師は、全員が日本専門医機構認定の形成外科専門医です。
このため、鼻中隔延長だけでなく形成外科全般の手術で、十分な実績と技術を持っています。
どのようなご希望やお悩みにも真摯にお応えさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
このコラムを監修したドクター
経歴
-
- 2006年
- 和歌山県立医科大学卒業
-
- 2006年
- 東京医科歯科大学附属病院 勤務
-
- 2008年
- 昭和大学形成外科教室 入局
-
- 2013年
- 昭和大学病院形成外科 助教
-
- 2015年
- 他院 大手美容外科入職
-
- 2018年
- 船橋眼瞼下垂クリニック 院長
-
- 2019年
- 銀座マイアミ美容外科SALONE
院長就任
-
- 2019年
- 医療法人社団形星会 理事就任
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