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口角挙上の傷跡は目立ちますか?
口の角を切る口角挙上だと傷跡が目立つと聞いたことがあります。 傷跡を目立たせないで口角挙上をする方法はありますか?
医師の回答
口角挙上の手術には大きく分けて2種類あります。
1 皮膚を切る方法
2 口の中から手術する方法
当院では、現在2番の口の中から手術する方法を行なっていますので、皮膚表面に一切傷跡はできません。
全く皮膚には傷ができずに口角挙上をすることができます。
口の中から切る方法には2種類やり方があります。直線法とZ法です。直線法では、口の中の粘膜を口の角からあげたい方向と距離直線的に切って、筋肉を処理したのちに粘膜を縫合します。一番シンプルな方法でマイルドに口角挙上をしたいかたに適応する方法です。Z法では下の図のように口腔粘膜を切って、筋肉処理をしたのちに、粘膜を入れ替えて挙上します。形成外科のZ形成術を応用したやりかたです。このようにZ型に切って組織を入れ替えることで後戻りなく挙上できます。この方法の特徴は、口の両脇に膨らみができるのでM字リップ形成とも相性が良いです。
筋肉処理に関しては、通常は口輪筋という筋肉を調整するだけで問題ないことが多いのですが、重度のへの字口の方などは下の図に示すような処置をすることがあります。つまり、口角下制筋(こうかくかせいきん)という筋肉を一部切除するとともに、大頬骨筋(だいきょうこつきん)という口角を斜め上に引き上げる筋肉を少し短縮して、斜め上に持ち上がりやすくするという方法です。また、口角下制筋だけボトックス注射で動かさなくするという方法もあります。ただ、口元の筋肉は複雑に影響し合っていてはからずも他の筋肉にボトックスが効いてしまうこともあるので慎重に行う必要があります。手術の方が肉眼的に筋肉を確認しながら処置できるので確実な効果が得られます。