1.チューメセント詳細

教科書にも載っている昔からある麻酔の方法ですが、脂肪吸引には適していると考えます。
脂肪を吸いたい層に適切に注入すると、除痛できるだけでなく、血管が収縮する成分により、出血が抑えられます。チューメセント液をきちんと注入すれば、硬膜外麻酔などの除痛の方法は必要ありません。そして、痛み刺激が少ないので、静脈麻酔で軽く寝かせるだけで手術中に起きてしまうこともありません。

次に、チューメセント法(局所麻酔)をメインとして手術した場合、“筋肉がリラックス(弛緩)しない”からです。

このことはとても大切なことです。例えば、全身麻酔や硬膜外麻酔などでは、筋肉が緩みます。これらの麻酔でお腹の脂肪吸引をする場合は腹直筋(腹筋)が緩んだ状態で手術をすることになります。そうすると、脂肪吸引の管で筋肉を貫いて内臓を傷つけてしまうといった致命的なミスを起こしやすくなってしまうと私は考えます。局所麻酔で手術をしている限りは、腹直筋が緊張したままですので、筋肉が極端に薄い方でなければ容易に貫くことはできません。

上記のような理由から、銀座マイアミ美容外科では、チューメセント法をメインとして、補助的に静脈麻酔を併用する方法を採用しています。実は、この方法は習熟するのにトレーニングが必要なのは当然ですが、特に手術操作を愛護的(優しく)に行わないと成立しない方法です。何故ならば、真皮や筋膜(筋肉)の除痛が不完全になるからです。

ですから、脂肪層だけを吸引するようにして、皮膚をつついたり筋肉をつついたりしないように注意して手術をしないといけないからです。

手術が乱暴で、筋肉や皮膚に過度な衝撃を加えると痛みを感じてしまうことにつながりますし、静脈麻酔だけでは寝ておくことが出来なくなってしまいます。腕の中で眠っている赤ちゃんを起こさないようにそっとベッドに運ぶくらいの優しさの感覚をもって脂肪吸引をしないといけません。
少し習熟するのに難し方法ですが、一旦習熟してしまうとこれほど脂肪吸引に適している麻酔法はないのでは無いかと思います。

注意点として、チューメセント法の麻酔液には極量というものがあります。つまり、これ以上使用すると副作用がでてしまうという量です。

当院では、1kgあたり35mgまでは安全に使用できるという日本人において検証した論文がありますのでその論文に則り、チューメセント液を使用しています。脂肪吸引をするにあたって全身麻酔が必要と考える例としては、極度の肥満です。
具体的には当院ではBMI(ボディーマスインデックス)が30以上のかたや、睡眠時無呼吸症候群、小顎症のかたには全身麻酔またはそれに準ずる形での気道確保を麻酔科医により行なった上での脂肪吸引をお勧めします。極度の肥満症例にチューメセント法と静脈麻酔で脂肪吸引を行うと窒息するおそれがあるからです。当院では、カウンセリング時に身長や体重、既往歴などをチェックして安全に脂肪吸引の手術が行えるような手術計画を立てております。