デリケートゾーンの臭いの原因は?ケアの方法や改善策も解説
- コラム幸地先生監修
女性にとってデリケートゾーンが臭うというのは、かなり深刻な悩みの1つです。
正しく洗ってもデリケートゾーンの臭いがとれない場合、膣内・外陰部・体質が大きな要因となっている可能性が高いです。
そこで本記事では、デリケートゾーンの臭いの原因や対処法を詳しく紹介します。
デリケートゾーンが臭う理由や正しい洗い方、対処法についてこの機会に知っておきましょう。
目次
デリケートゾーンが臭う原因(膣内)
膣内が要因となってデリケートゾーンが臭うときに考えられるケースは、以下の通りです。
- 細菌性膣炎
- 萎縮性膣炎
- 性感染症
それぞれ詳しく解説します。
細菌性膣症
細菌性膣炎とは、悪玉菌という雑菌が異常に増殖した状態を言います。
通常、膣内には善玉菌である乳酸菌が常在し、膣内を酸性に保ち外部から悪玉菌の侵入を防ぐ役割があります。
しかし、性行為や汚れた手で触ることで膣内環境のバランスが崩れ、細菌性膣炎を発症してしまうのです。
細菌性膣炎は、デリケートゾーンの臭い以外に以下のような症状も見られます。
- 膣や外陰部がむず痒い
- ヒリヒリと痛む
- おりものの量が多い
また、ストレスや疲労によって免疫力が低下することも、細菌性膣炎が発症する要因となります。
ストレスを溜め込まないことも大事ですが、性行為でコンドームを使用することや事前に手を洗っておくことも重要です。
膣内リングの挿入が原因で細菌性膣炎を発症することもあるため、思い当たる人は医師に相談しましょう。
萎縮性膣炎
萎縮性膣炎は閉経による女性ホルモンの減少によって、膣壁が乾きただれる状態を言います。
閉経し女性ホルモンが減少すると、膣内にある常在菌の数も少なくなり、膣内を正常な環境に保つのが難しくなってしまうのです。
乾燥した膣は萎縮しやすく、少しの刺激でも容易に出血したり、悪玉菌の侵入を防ぎにくくなります。
萎縮性膣炎で起こり得る症状は、以下の通りです。
- 乾燥感
- かゆみ
- 性交痛
- おりものの異常な臭い
- 膀胱炎
閉経だけでなく産後の生理開始前にも発症しやすいので、膣に刺激を加えないよう肌に優しい素材の下着を着用するのもお勧めです。
性感染症
性感染症は名前の通り、性行為が原因で発症する感染症です。
性行為を介して病原菌が粘膜に直接触れることで、性感染症を発症します。
初期段階では無症状のケースも多く、気づかない内に症状が進行していることも少なくありません。
デリケートゾーンの臭いに関係する性感染症は、以下の通りです。
- クラミジア感染症
- 淋病
- 梅毒
- トリコモナス膣炎
- 性器カンジダ症
特にトリコモナス膣炎は、悪臭を放つ泡状のおりものが増えるのが特徴の1つ。
性病が自然治癒することはなく、無症状であっても病原菌は体内に潜んでいるため、早期に治療を受けることが大切です。
デリケートゾーンが臭う原因(外陰部)
外陰部が要因となってデリケートゾーンが臭うときに考えられるケースは、以下の通りです。
- 外陰炎
- クリトリス包茎
それぞれ詳しく解説します。
外陰炎
外陰炎とは外陰部の炎症を指し、デリケートゾーンの臭いのほか、腫れや赤みなどの症状を伴います。
外陰炎は、以下のような外陰部の刺激となるあらゆる事象が原因となり得ます。
- 下着や石鹸による刺激
- 性感染症
- 皮膚炎
下着やおりものによって外陰部がかぶれ、異臭を放つことはよく起こります。
外陰炎は再発しやすい病気なので、軟膏による一時的な処置ではなく根本的な原因を取り除くことが重要です。
クリトリス包茎
クリトリス包茎とは、クリトリスに皮がかぶっている状態を指します。
子どものころは皆、クリトリスに皮がかぶった状態ですが、多くの人はそれが成長とともにむけてきます。
しかし、クリトリス包茎の人は、成長後もクリトリス亀頭に皮がかぶった状態のままとなっているのです。
クリトリス包茎を放置していると、クリトリス亀頭と包皮の間におりものや経血、尿などの汚れが残りやすくなるうえに恥垢も溜まりやすくなります。
これらがデリケートゾーンの臭いを発生させるだけでなく、汚れから雑菌が繁殖し炎症などのトラブルを起こすリスクも発生します。
さらに、恥垢が溜まった状態を長年放置するとクリトリス亀頭と包皮の癒着が起こってしまうリスクさえありますので、クリトリス包茎は放置せず、治療をすることが非常に重要です。
デリケートゾーンが臭う原因(体質:外陰部臭症)
デリケートゾーンが臭う原因は、病気だけではありません。
体質が原因でデリケートゾーンが臭うこともあり、これを「外陰部臭症(スソワキガ)」と言います。
外陰部臭症はデリケートゾーンにあるアポクリン汗腺の分泌物が強い臭いを放つもので、「お酢のような臭い」「クミンのような臭い」など感じ方は人それぞれです。
デリケートゾーンのアポクリン汗腺は誰にでもありますが、スソワキガの人はこのアポクリン汗腺の量が多いため分泌物も増え、臭いが気になってしまうのです。
アポクリン汗腺を除去することで症状は改善されますが、症状が軽度の人はボトックス注射やミラドライといった治療方法もあります。
当院では、「ビューホット」という治療を行なっています。
ラジオ波をアポクリン汗腺に照射し破壊する治療法で、メスを入れずに根本治療を目指すことが可能です。
麻酔を使用するため痛みもほとんど感じず、身体への負担を抑えながら治療を受けていただけます。
外陰部臭症の人は「わきが」や「ちちが」も併発していることが多いですが、ビューホットであれば同時治療も叶います。
すそわきがを治したい人やすそわきがなのか不安に思う人は、以下のボタンからすそわきがビューホットの詳細を確認してみてください。
デリケートゾーンの臭いケア方法や改善策
デリケートゾーンの臭いをケアする方法と改善策は、以下の通りです。
- 蒸れないよう通気性の良い下着を着用する
- ストレスをためないようにする
- 性行為を行う際は避妊具を正しく使用する
- デリケートゾーンの洗い方に気をつける
- クリトリス包茎治療を受ける
- すそわきがビューホットの治療を受ける
それぞれの方法・改善策について解説します。
蒸れないよう通気性の良い下着を着用する
同じ条件でも、下着の通気性が良く蒸れない状態であれば、デリケートゾーンの臭いを改善しやすくなります。
通気性の良い下着とは、例えば素材に関していえば、化学繊維ではなく天然素材の下着が当てはまります。
天然素材の中でも、特にシルク(絹)は吸湿性と放湿性にも優れており、デリケートゾーンが蒸れにくい素材です。
シルク素材は他の素材と比較して、取り扱いが難しいものが多いため、洗濯機で手軽に洗いやすい商品を選ぶことも重要です。
ストレスをためないようにする
過剰にストレスがたまるとホルモンバランスが乱れやすくなり、女性ホルモンの分泌量にも影響します。
女性ホルモンには汗や皮脂の分泌量を調整する作用がありますが、この調整が正常にされないことで、デリケートゾーンの臭いが強くなることがあります。
そのような状況に陥らないためにも、できるだけストレスをためないように生活することも重要です。
性行為を行う際は避妊具を正しく使用する
ここまで解説した通り、性行為で避妊具を正しく使用していない場合、細菌性腟症や性感染症に感染する恐れがあります。
そのような感染を防ぐためにも、性行為を行う際は避妊具を正しく使用しましょう。
また、不特定多数の異性を相手とした性行為を行わない、そのようなことをしている可能性のある異性との性行為を行わない、ということも重要です。
デリケートゾーンの洗い方に気をつける
デリケートゾーンを洗う際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 35〜37℃前後のぬるま湯で洗う
- タオルやスポンジは使わない
- 指と泡で優しく洗う
- 泡立てネットできめ細かい泡を立てる
- デリケートゾーン専用の洗浄料を使う
- 膣の中は洗わない
- シャワーは弱い水圧で当てる
このようにして優しく丁寧に洗うことで、デリケートゾーンの臭いだけでなく、黒ずみも予防しやすくなります。
詳しくは後述の「デリケートゾーンを洗う際に覚えておきたい3つのポイント」で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
クリトリス包茎治療を受ける
クリトリス包茎が原因でデリケートゾーンが臭う場合は、この治療(手術)を受けることも一つの選択肢です。
クリトリス包茎の手術では、包茎の原因となっている余分な皮膚を切除し、丁寧に縫合します。
クリトリスは、平常時でも下3分の1程度が見えている状態が、見た目にも美しいといえます。
溶ける糸で縫合するため抜糸の必要もなく、傷跡についても、最終的にどこを切除したのかわからない程度まで目立ちにくくなることが多いです。
当院のクリトリス包茎術については、以下のページでご紹介しています。
すそわきがビューホットの治療を受ける
すそわきがが原因でデリケートゾーンが臭う場合は「すさそわきがビューホット」の治療を受けることも一つの選択肢です。
この治療では切除を行う必要がなく、ラジオ波の照射のみで、すそわきがの原因であるアポクリン腺の焼灼(焼いて除去する)を行います。
当院のすそわきがビューホットの治療については、以下のページで詳しくご紹介しています。
デリケートゾーンを洗う際に覚えておきたい3つのポイント
デリケートゾーンの臭い軽減のためには、まずは何よりもきちんと洗って清潔にすることが大切です。
そのための3つのポイントをご紹介しましょう。
- デリケートゾーン用の洗浄料を使おう
- きめ細かい泡で洗おう
- 膣の中を洗ってはいけない
1.デリケートゾーン用の洗浄料を使おう
デリケートゾーンを普通のせっけんやボディソープで洗っている人も少なくありませんが、デリケートゾーンにはデリケートゾーン用の洗浄料を使うようにしましょう。
デリケートゾーン用の洗浄料をおすすめする理由は、安全性です。
一般的なせっけんやボディソープの多くはアルカリ性となっていますが、デリケートゾーン用洗浄料は弱酸性であるものが多いです。そして、膣内の環境も弱酸性ですから、膣の入り口周りであるデリケートゾーンも弱酸性の洗浄料で洗うほうが、刺激になりにくく安全性が高いと考えられるわけです。
2.きめ細かい泡で洗おう
デリケートゾーン用洗浄料でデリケートゾーンを洗う際には、まずは泡立てネットなどを使って、洗浄料を泡立てましょう。
まずはお湯でデリケートゾーンを予洗いし、洗浄料を泡立ててきめ細かくもっちりとした泡を作ってから、その泡でやさしくデリケートゾーンを洗いましょう。
しっかり洗いたいからといって、ゴシゴシこするようにして洗うようなことは、デリケートゾーンがダメージを受けてトラブルが発生するリスクがありますので絶対にやめましょう。
3.膣の中を洗ってはいけない
デリケートゾーンを清潔にしたいと考えるあまり、膣の中まで洗おうと考える人がいますが、これはNG行為です。
なぜなら、膣の中は通常なら乳酸菌の一種であるデーデルライン桿菌によってしっかり自浄作用が守られているのですが、膣の中を洗うとこのデーデルライン桿菌も洗い流されて減ってしまい、自浄作用がうまく機能しなくなってしまうという問題が発生してしまうからです。
自浄作用がうまく機能しないと、膣内に雑菌が繁殖するなどして臭いを発生させてしまうというリスクも出てきます。
「膣内は洗わなくても体のメカニズムで自然に浄化してくれている」ということを理解して、デリケートゾーンはあくまで外陰部など、外側だけを洗うようにしましょう。
デリケートゾーンの臭いに関するQ&A
デリケートゾーンの臭いに関して、よく見られる質問は以下の通りです。
- デリケートゾーンの臭いの種類にはどのようなものがありますか?
- 臭いをすぐに消せるアイテムはありますか?
- 洗っても臭いのはどうしてですか?
それぞれの質問にお答えします。
デリケートゾーンの臭いの種類にはどのようなものがありますか?
デリケートゾーンの臭いの主な種類と、原因になる物質を一覧にすると以下の通りです。
- ツンとする臭い:アンモニア
- 甘い臭い:ケトン体
- 尿のような臭い:汚れ
アンモニアやケトン体が原因の場合は、肝機能が低下している可能性もあります。
この機能回復のために、睡眠や休養を十分に取るようにしましょう。
臭いをすぐに消せるアイテムはありますか?
デリケートゾーンの臭いの軽減をすぐに図れるアイテムとしては、デリケートゾーン用の消臭スプレーが挙げられます。
ただ、あくまで短時間に軽度の軽減を図れるのみであり、根本的な臭いの解消にはなりません。
より効果的かつ長期的に臭いを消すためには、ここまで解説してきたような対策が重要です。
洗っても臭いのはどうしてですか?
デリケートゾーンを洗っても臭い原因は、以下の通りです。
- 十分に洗えていない
- 洗い方が間違っている
- 汚れの問題ではない
①については丁寧に洗うこと、②については正しく洗うことで解決することが多いです。
③については、その原因ごとにこれまで解説してきた、それぞれの対策が必要となります。
【まとめ】デリケートゾーンが臭い原因や対策方法
デリケートゾーンが臭い原因を大別すると、医学的な要因であれば「腟内・外陰部・体質」の3つです。
また、医学的な要因以外では「洗浄が不十分である、洗い方が間違っている」などの可能性も考えられます。
洗い方が原因の場合は、そのやり方を改善することで、ある程度の臭いの軽減を期待できます。
逆に医学的な要因の場合は、根本的に臭いを改善したいのであれば、投薬や手術などの治療が必要です。
もしクリトリス包茎やすそわきがが原因である場合、当院でも治療にご対応しています。
クリトリス包茎については、余分な皮膚を丁寧に切除する「クリトリス包茎切除術」での治療が可能です。
すそわきがについては、ラジオ波でアポクリン腺を焼灼する「すそわきがビューホット」の治療を行えます。
当院では、日本専門医機構認定の形成外科専門医のみがこれらの施術を担当しており、いずれの施術でも必要な知識と経験を有しています。
クリトリス包茎やすそわきがが原因かどうか迷っている場合も、デリケートゾーンの臭いで悩まれている方は、ぜひ当院までご相談ください。
このコラムを監修したドクター
経歴
-
- 2011年
- 琉球大学 卒業
-
- 2012年
- 昭和大学藤が丘病院 初期臨床研修
-
- 2014年
- 昭和大学形成外科教室 入局
-
- 2015年
- 昭和大学病院形成外科 助教
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