豊胸は男性でも可能?MTFのための手術の種類を解説!
- 小野寺院長監修
近年はジェンダーに関する価値観がオープンになり、MTF(Men to Female)などの性自認も社会的に認められるようになりました。
このため、性自認が女性である男性が、豊胸手術などの施術を受けやすい環境も、年々整いつつあります。
そのような背景があっても、男性の豊胸手術に関する情報は、女性と比較するとまだ少ないのが実情です。
そのため、豊胸手術に関心を持った男性も、必要とする情報が手に入らず悩むことが多いでしょう。
本記事では、そのようなお悩みを解消していただけるよう、男性の豊胸に関する様々な情報を解説します。
目次
男性でも豊胸は可能
男性でも豊胸手術を受けることは可能です。
もちろん、通常の外科手術などと同じく、その手術を受けるのに必要な条件を満たしている必要があります。
その条件さえ満たしていれば、男性の豊胸手術は問題なく可能です。
ただ、法律的・医学的に可能であっても、希望するような美しい仕上がりになるかどうかは、ケースバイケースです。
男性の豊胸手術には、男性ならではの難しさがあるため、その点をよく理解した上で医師とじっくり話し合い、ご自身に適した施術を選んでいただく必要があります。
男性の豊胸が女性よりも難しいと言われる原因
男性の豊胸が女性よりも難しいと言われる原因は、以下の通りです。
- 皮膚が伸びにくい
- 女性よりも皮下脂肪が少ない
- 乳腺が発達していない
それぞれの原因について解説します。
皮膚が伸びにくい
男性の豊胸が難しい一番の理由は、皮膚の伸びづらさにあるといえます。
皮膚が伸びづらい理由は、もともと男性には乳房がなく、バストの皮膚を伸ばす必要がないためです。
皮膚が伸びないと、例えば脂肪注入豊胸の場合は注入した脂肪が圧迫され、血液が十分に行き渡らず脂肪の定着率が下がってしまいます。
ヒアルロン酸豊胸も同様に、皮膚に圧迫されるとヒアルロン酸の位置がずれる、分散してしまうなどの問題が起こり、仕上がりが変わってしまうことがあります。
シリコンバック豊胸でも同様にバックが圧迫され、バック周辺の血流が悪化し、炎症などの原因になってしまうことがあるため、注意が必要です。
女性よりも皮下脂肪が少ない
脂肪注入豊胸の場合、自身のお尻や太ももなどの部位から、脂肪を採取する必要があります。
しかし、男性は女性よりも皮下脂肪が少ないため、この脂肪採取が女性よりも難しくなります。
男性の皮下脂肪が女性より少ない理由は、筋肉質であることに加え、脂肪が「内臓につきやすい」ことが挙げられます。
同じ脂肪がつく場合でも、女性は皮下脂肪が多く、男性は内臓脂肪が多いのです。[注1]
[注1]メタボリックシンドローム・糖尿病 | 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
それでも皮下脂肪が十分ついている男性も存在し、そのような男性であれば、脂肪注入豊胸も行えます。
しかし、そうでない男性の場合は、脂肪注入豊胸が選択肢から外れる点で、女性よりも施術が難しくなります。
乳腺が発達していない
男性にも乳腺はありますが、女性のように乳房全体には発達していません。
バストの約9割は脂肪ですが、この脂肪は乳腺を守るためについています。
そのため、乳腺が発達している女性には、バストに脂肪がつく理由があり、皮膚の伸びやすさも含めて、脂肪の増加に対応しやすくなっています。
逆に、乳腺が発達していない男性には、バストに脂肪が付く理由がないため、バストの脂肪増加に対応しにくいのです。
男性が受けられる一般的な豊胸手術の種類
男性が受けられる一般的な豊胸手術の種類は、以下の通りです。
- 脂肪注入豊胸
- シリコンバック豊胸
- ヒアルロン酸豊胸
それぞれの種類について解説します。
脂肪注入豊胸
脂肪注入豊胸は、お腹や太ももなどの部位から自身の脂肪を採取して、バストに注入する施術です。
注入された脂肪の定着率は、通常の脂肪注入では良ければ約50%、コンデンスリッチファットなどの高品質な脂肪の注入では、良ければ約70%です。
そして、定着した脂肪はもともとあった脂肪のように、半永久的にバストに残り続けます。
バストの構成組織は元々約90%が脂肪であるため、脂肪注入豊胸は感触も自然になり、横になった際の乳房の垂れ方なども自然になります。
シリコンバッグ豊胸
シリコンバック豊胸は、バスト部分にシリコン製のバッグを挿入する豊胸手術です。
バッグを挿入する位置は主に「大胸筋下・大胸筋膜下・乳腺下」で、それぞれの施術を「大胸筋下法・大胸筋膜下法・乳腺下法」と呼びます。
男性の豊胸手術の場合、一般的には大胸筋下法が適用されます。
この手法が、一番深い層にバッグを埋め込むため、外からバッグの形が見えにくく、自然な外見にしやすいためです。
乳腺下法の場合、乳腺のすぐ下という浅い位置に挿入します。
このため、乳腺が発達していない男性では、バッグの形が外からわかりやすく、不自然な仕上がりになりやすいのです。
大胸筋膜下法は、乳腺と大胸筋の間にあり、大胸筋を包んでいる「筋膜」の下にバッグを挿入します。
乳腺下法よりはバッグを隠しやすいものの、大胸筋下法ほどは隠せません。
このような理由から、同じように、バストがなく皮下脂肪も少ない男性の豊胸では、大胸筋下法が用いられることが一般的です。
ヒアルロン酸豊胸
ヒアルロン酸豊胸は、専用のヒアルロン酸をバストに注入する豊胸術です。
脂肪を採取する必要がないため、皮下脂肪が少ない男性でも受けやすい施術です。
また、シリコンバック豊胸のように切開を伴わないため、施術によるダメージを抑えられることもメリットといえます。
反面、ヒアルロン酸は1年程度で吸収されてしまうため、定期的な再注入が必要です。
さらに、豊胸で用いられるヒアルロン酸は体内で吸収されるスピードを遅くするため、硬めに作られています。
このため、触った際の感触も脂肪注入豊胸と比較すると、やや硬めです。
このようなデメリットもあるものの、手軽さを重視するのであれば、男性の豊胸でも適した施術といえます。
男性が豊胸手術を受ける際の注意点
男性が豊胸手術を受ける際の注意点は、以下の通りです。
- 出血量が多くなりやすい
- ホルモン療法を行っている方は医師に相談しておく
それぞれの注意点について解説します。
出血量が多くなりやすい
男性は女性より血管が太い方が多いです。
このため、豊胸手術での出血量も女性より多くなりやすいです。
施術中の出血量が多ければ、施術の難易度も上がるため、その分施術に伴う様々なリスクが高まります。
また、施術後の出血リスクも男性の方が高いため、術後のフォローアップも慎重に行うことが必要です。
ホルモン療法を行っている方は医師に相談しておく
すでにホルモン療法を行っている場合は、その治療の詳細を医師に伝え、豊胸手術の内容を相談しましょう。
例えば、GID(性同一性障害)の診断を正式に受けた上でホルモン療法を行っている場合、豊胸手術も治療のガイドラインに沿う必要があります。
また、当然ながらホルモン療法を行えば、体つきが徐々に女性的になっていきます。
そして、豊胸手術はバストの形を長期間美しく保てるよう、計算して行うことが必要です。
そのため、患者様がホルモン療法を行っている場合、医師はその影響も計算して豊胸手術を行う必要があるのです。
また、女性ホルモンの影響ですでに胸が少しふっくらしている男性の場合、そうでない男性と比較すると脂肪注入を行いやすくなります。
このように、様々な面でホルモン療法は豊胸手術に影響するため、行っている場合は必ず医師に相談し、治療の内容を詳しく伝えましょう。
男性が豊胸を受けるクリニックを選ぶポイント
男性が豊胸を受けるクリニックを選ぶポイントは、以下の通りです。
- 男性の豊胸手術経験があるか
- アフターケアが充実しているか
- プライバシーへの配慮が徹底されているか
それぞれのポイントについて解説します。
男性の豊胸手術経験があるか
男性の豊胸手術は、ここまで説明してきた通り様々な理由により、女性の豊胸手術よりも難しくなっています。
このため、男性に対する豊胸手術の経験が十分なクリニックを選ぶことが重要です。
このようなクリニックは公式サイトでも、男性への豊胸手術が可能であることが明記されています。
こうした情報に加え、実際にカウンセリングや診察を受けた印象からも、男性の豊胸に関する十分な経験と、理解があるかを判断しましょう。
アフターケアが充実しているか
男性の豊胸手術は、女性と比較して施術によるダメージが大きいことが多いです。
例えば、男性のシリコンバック豊胸は一般的に「大胸筋下法」で行われます。
この方法は筋肉(大胸筋)を切開するため、乳房や筋膜への切開よりもダメージが大きくなります。
また、男性は脂肪が少なく脂肪注入のための脂肪採取も難しいため、この採取によるダメージも、女性より大きくなることが多いです。
このように施術によるダメージや負担が大きければ、アフターケアの重要性も高まります。
このため、男性の豊胸手術ではアフターケアが充実したクリニックを選ぶことも重要です。
プライバシーへの配慮が徹底されているか
男性の豊胸は、女性の豊胸以上にプライバシーへの配慮が重要となります。
ジェンダーに関する世間の理解が深まっている現代でも、自らカミングアウトする以外の方法で情報が漏れるのは、ほとんどの男性にとって避けたいことでしょう。
具体的には、以下の条件を満たしているクリニックであれば、プライバシーへの配慮が徹底しているといえます。
- 完全予約制で、他の患者さんと顔を合わせることがない
- 診察室が完全個室になっている
- 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)が定められている
このようなクリニックであれば、安心して様々なお悩みを相談しやすいでしょう。
銀座マイアミ美容外科では男性の豊胸にも対応
当院・銀座マイアミ美容外科では、男性の豊胸手術にも対応しています。
今回解説してきた通り、様々な難しさがある男性の豊胸ですが、当院では男性への豊胸手術に関しても十分なノウハウと実績があります。
患者様のお体に適していれば、脂肪注入豊胸・シリコンバック豊胸・ヒアルロン酸豊胸のいずれの施術も可能です。
男性への施術も含め、当院の豊胸手術に関しては以下のページで詳しく紹介しています。
男性の豊胸に関するよくある質問
男性の豊胸に関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。
- ホルモン治療は行った方がいいですか?
- 男性だと脂肪注入豊胸は難しいですか?
それぞれの疑問点について解説します。
ホルモン治療は行った方がいいですか?
男性がバストを大きくしたい時、ホルモン治療を行うべきかには個人差があります。
例えば、GID(性同一性障害)であれば、日本精神神経学会によるガイドラインに従い、以下の3つの段階に分けて、順番に治療を進めます。[注2]
- ①:精神科治療
- ②:身体的治療
- ③:性別適合手術
このうち、ホルモン治療は②に分類されます。
そして、日本形成外科学会の定義では、シリコンバック豊胸は③に分類されます。[注3]
[注3]性同一性障害|日本形成外科学会
そのため、GIDが理由でシリコンバック豊胸を行うのであれば、ホルモン治療を先に行い、一定の条件を満たした後で豊胸手術を受けることになります。
逆にGIDが理由でなければ、この治療のステップに従う必然性はなく、ホルモン治療なしでシリコンバック豊胸を行うことも認められます。
シリコンバックを用いない脂肪注入豊胸やヒアルロン酸豊胸の場合は、②に分類される可能性があります。
(同学会の定義では、②の中に「手術」も含まれており、脂肪注入やヒアルロン酸注入は、これに該当する可能性があります)
このように、GIDなど特定の理由で豊胸手術を受ける場合は、その分野の治療のガイドラインに従い、ホルモン治療を先にすべきかどうかを決定します。
そして、そのようなガイドラインが存在しないケースで豊胸手術を受ける場合は、患者様の希望やバスト、お体全体の状態などによって決めるべきでしょう。
どのようなケースにしても、ホルモン治療を豊胸手術より先に行うべきかは、医師とよく相談すべきです。
男性だと脂肪注入豊胸は難しいですか?
男性でも、十分な脂肪があれば脂肪注入豊胸は可能です。
ここで注意すべきことは、男性の9割以上は「内臓脂肪型肥満」で、女性のような「皮下脂肪型肥満」ではないことです。
内臓脂肪は内臓に近い位置にあり、安全性の問題で脂肪注入のための採取ができません。
このため、脂肪が多い男性でも「内臓脂肪型」の場合は、脂肪注入豊胸が難しいこともあります。
ただ、仮に十分な皮下脂肪がなく脂肪注入豊胸を行えなかった場合も、ヒアルロン酸豊胸やシリコンバック豊胸など、その他の選択肢があります。
【まとめ】男性の豊胸は当院にご相談ください
男性の豊胸手術は医学的に可能ですが、男性ならではの難しさが多くあります。
具体的には「皮膚が伸びにくい・皮下脂肪が少ない・乳腺が発達していない」という3つの点で、女性の豊胸手術よりも難易度が高くなります。
手術の選択肢については、必要な条件さえ満たしていれば、女性と同じく主に「脂肪注入豊胸・シリコンバック豊胸・ヒアルロン酸豊胸」の3つが可能です。
いずれの手術を受ける場合も、男性への施術のノウハウや実績が十分なクリニックを選ぶことが重要です。
当院では、そのようなノウハウや実績が十分にあり、3つの手法のいずれにも対応できます。
特に痩せ型の方への脂肪注入で様々な実績を持っており、過去にはBMIが14の方(18以下は痩せ)や、体脂肪率10%未満のボディービルダーの方へ、脂肪注入豊胸を行った実績も持ちます。
このような実績から男性の豊胸に関しても、患者様のお悩みやご希望、お体の状態に適した施術をご提案させていただきます。
どのようなお悩みでも、ぜひお気軽にご相談ください。
このコラムを監修したドクター
経歴
-
- 2006年
- 和歌山県立医科大学卒業
-
- 2006年
- 東京医科歯科大学附属病院 勤務
-
- 2008年
- 昭和大学形成外科教室 入局
-
- 2013年
- 昭和大学病院形成外科 助教
-
- 2015年
- 他院 大手美容外科入職
-
- 2018年
- 船橋眼瞼下垂クリニック 院長
-
- 2019年
- 銀座マイアミ美容外科SALONE
院長就任
-
- 2019年
- 医療法人社団形星会 理事就任
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